2023年、4%の住宅価格下落で被害を受けるのはわずか3%のみ?

2022-12-16 adminc

2023年末までに住宅価格は4%下落すると予想されておりますが、過去2年以内に住宅を購入したホームオーナーのうち、4%の価格下落が起きた場合、アンダーウォーター(保有物件価格が住宅ローン残高よりも低くなった状態)に陥るのはわずか3.4%と言われています。

 

例えば、住宅価格が高騰する前の過去2年以内に購入された住宅は来年中に価格が4%下落したとしても、約27,000ドル価値が上昇したことになります。 つまり、非常に考えにくいシナリオですが、2023年に8%の価格下落が起きない限り約27,000ドルの上昇分も喰ってアンダーウォーター状態になることは考えられないと言えます。

 

ちなみに、全米の中でも特にアンダーウォーターのリスクが高いとされている地域はサクラメント(カリフォルニア州)やフェニックス(アリゾナ州)です。

 

上の表はRedfin社が発表したレポートの抜粋ですが、2022年11月~2023年12月末までに住宅価格が何割下落したら何割のホームオーナーがアンダーウォーター状態となるか、また保有住宅価格の変遷が示されています。

先ほどご説明した通り、住宅価格が年間4%下落した場合は3.4%の人がアンダーウォーター状態となり、仮に年間12%下落した場合にようやく2桁の10.3%の人がアンダーウォーター状態となることが分かります。

つまり、年間10%の大暴落が起きたとしても、影響を受ける人は10%程度ということになります。 ちなみにRedfin社は8%以上の価格下落が起こる可能性は低いと考えているそうです。

 

2021年1月から2022年9月までに購入したホームオーナーは、固定住宅ローンの支払額が低く、厳しい融資基準を満たすだけの信用力があると思われます。

また、住宅を所有してまだ日が浅いにもかかわらず、彼ら新規ホームオーナーは、パンデミック時に価格が大きく高騰し、頭金を大く支払っている人が多いため、すでに潤沢なエクイティを保有している可能性が高いのです。

特に、2021年に購入した人は、住宅ローン金利が年間を通じて過去最低の3%台に留まり、住宅価格もまだピークに達していなかったので、その傾向が顕著です。

例えば、400,000ドルの住宅を6%の金利で購入した人の月々の支払額は2,500ドルですが、3%の金利で購入した人の月々の支払いは2,000ドル弱しかありませんので、年間に換算すると6,000ドルも得していると言えます。

 

2021年1月に当時の米国での販売価格の中央値である329,000ドルで自宅を購入したホームオーナーを考えてみましょう。

コロナ・パンデミックによって住宅市場が過熱していたため、彼らの住宅価値はすでに約20%上昇し、400,000ドル弱に達しています。来年末に価格が約4%下落して380,000ドルになっても、過去2年間に支払った住宅ローンの支払いを考慮しなくても、住宅価格の上昇分は約50,000ドル(=380,000ドル-329,000ドル)という計算になります。

2021年以前に購入した住宅所有者は、来年の予想される価格下落でアンダーウォーターに沈む可能性はさらに低くなります。なぜなら、彼らがより多くの株式等の資産を保有していることと、その多くが史上最低金利の時に住宅ローンの借り換えを行っているからです。

 

まとめますと、2023年以降に住宅価格が4%も下落すると一部で噂されておりますが、仮に4%下落したとしても被害を受けるのは全米でもわずか3.4%。仮に10%の価格下落が起きたとしても10%程度の人が被害を受ける程度であること。 それ以外のホームオーナーは、住宅ローン金利および価格が高騰する前に住宅を購入している層であり、エクイティは十分に保有しているということになるのです。