マイホーム争奪戦の再来か?

2023-01-30 adminc

米国30年固定住宅ローン金利が2022年11月のピーク7.08%から6.15%に下落したため、住宅ローンの申し込みは11月初旬から28%増加しました。これは2009年以来最大となる10週間の下落です。

米不動産会社であるRedfinによると、物件内覧を希望する人は2022年11月から17%増え、住宅購入のプロセスに入った人が13%増加しました。1年前と比較すると、それぞれ23%と27%ずつ減少していますが、それでも前年比40%減少した2022年11月の底値からは改善しています。

これはすでに住宅販売の増加に繋がっており、Redfinのエージェントは、シアトル(フロリダ州)やリッチモンド(バージニア州)など、一部の市場で入札競争が再び起こっています。

住宅需要は2022年初頭のピークと比べると未だに低水準ですが、市場は新たなステージに移行しており、手ごろな価格帯の物件が急速に売れ始めています。

 

サンノゼ(カリフォルニア州)のRedfinエージェント: 「1月は、2022年第4四半期の合計よりも多くの人が契約を結んでいます。11月と12月に市場に売りに出された物件については、1-2件のオファーが寄せられている状況です。正月休暇が終わった今、住宅購入希望者から多くのメールを貰います。現在の住宅ローン金利はピークを過ぎており、売り手は交渉に前向きになっています。買い手は、物件が数週間以上も市場に出回っていた場合には希望価格よりも安い価格で購入できる可能性もあるのです。」

入札競争が一部の市場で復活

米国各地で住宅需要が戻ってきていますが、入札競争を誘発している物件には以下の特徴があります。

・手ごろな価格

・郊外

・戸建て

・すぐに入居できる

 

特にフロリダ州のシアトルとタンパにおける競争が徐々に激しくなっています。

シアトルのRedfinエージェント: 「一つの物件に対して12件のオファーがあり、物件価格の155,000ドルを超える140万ドルで契約されました。買い手は手付金30万ドルを現金で支払うと、売り手は成約後2か月間無料で滞在できるオプションを付けた事例もあります。」 「シアトルで人気があるバラード地区にある物件は、3か月以上売りに出ていましたが、なかなか売れずに、数週間前にリストから削除されました。先週、売り手はその物件を再度売りに出したところ、1日もたたないうちに保留(買い手が購入を検討している段階)になりました。」

 

タンパのRedfinエージェント: 「今月、フロリダ州中部で約30万ドルの戸建て住宅3戸について、それぞれ16件、17件、23件の入札がありました。」

 

パームビーチ(フロリダ州)のRedfinエージェント: 「フロリダ州南部にあるパームビーチでは、手ごろな価格の住宅の殆どが複数オファーを受けています。しかし、2021年の競争レベルには程遠いです。」

 

リッチモンド(バージニア州)のRedfinエージェント: 「望ましい学区にあり、価格が高く、状態の良い住宅は、数日または数時間以内に買われてしまいます。40万ドル以下の物件は週末に売れます。100万ドルの物件でさえ、良好な状態であれば数日で売れてしまいます。このように価値のある物件はすぐに売れてしま状況です。」

 

一方で、まだ市場が落ち着いている地域もあります。

ボイジー(アイダホ州)のRedfinエージェント: 「2022年11月以降、価格が下落しているにもかかわらず、この地域で入札競争は殆どありません。物件が売りに出されてからオファーが来るまでに1~2週間かかります。人々は以前のように家探しに熱心ではないようです。希望する条件で買えない場合には、すぐに諦めます。どうしても物件を手放したい売り手においては、買い手の住宅ローンの最初の3ヵ月分を支払うことを申し出た人もいるそうです。まだ売り手と買い手は慎重になっていると思います。」

   

住宅需要は改善していますが、入札競争を引き起こす主な要因は『在庫不足』です。

売り手が急激に変化する市場を受け入れるのが遅いのは当然のことですが、買い手は住宅ローン金利の低下に真っ先に反応する傾向があるためです。この影響は2023年に顕著になる可能性があります。

住宅ローン保有者全体のうち85%の住宅ローン金利は、現在の約6%の水準をはるかに下回っているため、売り手は金利の上昇に対してより敏感になります。このロックイン効果に加えて依然として高い賃料は、多くの人が家の売り手ではなく家主として留まる動機となっています。

 

とは言え、自宅を売却するためにRedfinエージェントに連絡する人の割合は2022年11月から10%増加しています。しかし、全国的に大幅に改善されるのはまだ時間がかかるでしょう。

 

2023年11月22日までの4週間で、新規に売りに出された物件数は前年比18%減少しました。これはほぼ3ヵ月ぶりの最小の減少幅となります。

 

Redfinのエージェントによると、住宅所有者は、住宅価格の伸びが縮小し、買い手が交渉力を取り戻している時期に売りに出すことに不安があるそうです。

シアトルのRedfinエージェント: 「住宅所有者は、買い手からの需要が無いことを事前に聞いていたので、この時期に売りに出すことを恐れています。在庫が無いだけなので、市場の競争力が再び高まっています。」

 

リッチモンドのRedfinエージェント: 「売り手は、メディア、友人、家族から住宅市場が減速していると聞いたので、最初に来た買い手からのオファーに飛びつきます。」

 

住宅購入者の需要の高まり、価格の上昇が安定するにつれて、より多くの売り手が市場に戻ってくる可能性があります。