2020年4月以降、物件が市場に出てから販売に繋がるまでの期間が長期化しており、住宅販売件数は記録的な低水準にあります。
しかしながら、ここ最近ではオンラインでの家の検索、物件内覧のリクエストは増加しており、Redfin社のHomebuyer Demand Index(Redfin社エージェントからの内覧リクエストやその他サービスの指標)は先月6%の増加を記録し、「販売中の物件」のGoogle検索件数が増加しています。
こうした需要の初期兆候は、特に住宅ローン金利が2022年11月に付けた7%のピークから6.33%へと下落したため、典型的な住宅においては月々の住宅ローン金利の支払いが約250ドル節約できると試算され、一部の買い手は”傍観者”から”購入予定者”へ参入する可能性が高いことが示唆されています。さらに、インフレが落ち着くにつれて、今後売上に繋がる可能性があると考えられます。
Redfin社の副チーフエコノミストのTaylor Marr氏は次のように述べています。
「直近の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+6.5%と6か月連続でインフレ率が低下することとなり、最悪のインフレが過ぎ去ったことが確認されています。これは、FRBが利上げを緩和し続ける可能性が高いことを意味しており、これにより住宅ローン金利は徐々に低下し続けるはずです。これにより、今後数か月で一部の住宅購入者が戻ってくる可能性があります。」
また、「家探しを始める人はすでに増加しています。彼らはまだ”買い手”にはなっていないが、毎月の住宅ローンの支払いがピーク時から大幅に減少し、最新のインフレ率と雇用データが景気後退の可能性を低下させていることを考えると、彼らはすぐに”買い手”になる可能性がある。」
販売価格は、米国で最も人口の多い50都市のうち20都市で前年比で下落
米国の典型的な住宅は、2023年1月8日までの4週間で351,250ドルで販売されました。これは、前年比+0.8%でしたが、2022年6月のピークからは-10%の下落となりました。
サンフランシスコ(-10.6%)、シアトル(-5%)、サンノゼ(-4.9%)、オースティン(-4%)、デトロイト(-3.8%)、フェニックス(-3.7%)、オークランド(-3.4%)、ボストン(-3%)、ロサンゼルス(-3%)、サクラメント(-3%)、サンディエゴ(-2.6%)、シカゴ(-2.5%)
ポートランド、アナハイム、リバーサイド、ニューアーク、ニューヨーク、ピッツバーグ、ラスベガス、ワシントンでは2%以下の下落となりました。
ラスベガスの価格が対前年比で下落したのは、2015年以来初めてとなります。
サンフランシスコ、シアトル、フェニックス、シカゴ、ボストン、ポートランド、サンディエゴでは2015年以来最大の対前年比下落幅となりました。