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2023.02/07
住宅ローン金利の低下により活気を取り戻す住宅市場
2023年に入り、米国30年固定住宅ローン平均金利は、5.99%(Mortgage News Daily)と、9月中旬以来初めて6%を下回りました。 これは、毎月の予算が$2,500の住宅購入者は、11月に住宅ローン金利が7%を超えたピークに達した時よりも約$35,000多く家に費やす余裕ができたという試算になります。これにより、4か月で初めて$400,000の家を購入することができます。 しかし、住宅ローン金利が3%台に留まっていた1年前よりも、買い手は約$95,000購買力が下がっているものの、金利が最高値7%から1%以上低下したことは、多くの買い手にとって好材料となりました。 Redfin社のHomebuyer Demand Index(Redfinエージェントの物件内覧やその他サービスのリクエスト)は、2022年10月の安値から19%上昇しており、新たに市場に出た物件の37%が2週間以内にオファーが来るという状況で、2022年7月以来の最高水準となっています。 住宅の売り手についても、市場に出る新規掲載物件は前年比-17%でしたが、これは4か月で最小の減少幅であり、特に12月の-24%から大きく改善しています。 Redfin社の経済調査責任者であるChen Zhao氏は次のように述べています。 「2月のFOMCの利上げはプラス面とマイナス面があります。FRBは昨年よりもゆっくりとしたペースで金利を引き上げましたが、これは、住宅ローン金利が更に上昇する可能性が低いことを示唆します。一方で、インフレに対抗するための継続的な利上げを示唆しており、一部の楽観的な買い手が待ち望んでいた住宅ローン金利の急激な低下を妨げる可能性が高いのです。」 2022年後半に低迷していた住宅市場は活気を取り戻しつつあります。 引き続きタイムリーな情報発信を行って参りますので、ご意見・ご要望等ございましたらお気軽にご連絡ください。
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2023.01/30
マイホーム争奪戦の再来か?
米国30年固定住宅ローン金利が2022年11月のピーク7.08%から6.15%に下落したため、住宅ローンの申し込みは11月初旬から28%増加しました。これは2009年以来最大となる10週間の下落です。 米不動産会社であるRedfinによると、物件内覧を希望する人は2022年11月から17%増え、住宅購入のプロセスに入った人が13%増加しました。1年前と比較すると、それぞれ23%と27%ずつ減少していますが、それでも前年比40%減少した2022年11月の底値からは改善しています。 これはすでに住宅販売の増加に繋がっており、Redfinのエージェントは、シアトル(フロリダ州)やリッチモンド(バージニア州)など、一部の市場で入札競争が再び起こっています。 住宅需要は2022年初頭のピークと比べると未だに低水準ですが、市場は新たなステージに移行しており、手ごろな価格帯の物件が急速に売れ始めています。 サンノゼ(カリフォルニア州)のRedfinエージェント: 「1月は、2022年第4四半期の合計よりも多くの人が契約を結んでいます。11月と12月に市場に売りに出された物件については、1-2件のオファーが寄せられている状況です。正月休暇が終わった今、住宅購入希望者から多くのメールを貰います。現在の住宅ローン金利はピークを過ぎており、売り手は交渉に前向きになっています。買い手は、物件が数週間以上も市場に出回っていた場合には希望価格よりも安い価格で購入できる可能性もあるのです。」 入札競争が一部の市場で復活 米国各地で住宅需要が戻ってきていますが、入札競争を誘発している物件には以下の特徴があります。 ・手ごろな価格 ・郊外 ・戸建て ・すぐに入居できる 特にフロリダ州のシアトルとタンパにおける競争が徐々に激しくなっています。 シアトルのRedfinエージェント: 「一つの物件に対して12件のオファーがあり、物件価格の155,000ドルを超える140万ドルで契約されました。買い手は手付金30万ドルを現金で支払うと、売り手は成約後2か月間無料で滞在できるオプションを付けた事例もあります。」 「シアトルで人気があるバラード地区にある物件は、3か月以上売りに出ていましたが、なかなか売れずに、数週間前にリストから削除されました。先週、売り手はその物件を再度売りに出したところ、1日もたたないうちに保留(買い手が購入を検討している段階)になりました。」 タンパのRedfinエージェント: 「今月、フロリダ州中部で約30万ドルの戸建て住宅3戸について、それぞれ16件、17件、23件の入札がありました。」 パームビーチ(フロリダ州)のRedfinエージェント: 「フロリダ州南部にあるパームビーチでは、手ごろな価格の住宅の殆どが複数オファーを受けています。しかし、2021年の競争レベルには程遠いです。」 リッチモンド(バージニア州)のRedfinエージェント: 「望ましい学区にあり、価格が高く、状態の良い住宅は、数日または数時間以内に買われてしまいます。40万ドル以下の物件は週末に売れます。100万ドルの物件でさえ、良好な状態であれば数日で売れてしまいます。このように価値のある物件はすぐに売れてしま状況です。」 一方で、まだ市場が落ち着いている地域もあります。 ボイジー(アイダホ州)のRedfinエージェント: 「2022年11月以降、価格が下落しているにもかかわらず、この地域で入札競争は殆どありません。物件が売りに出されてからオファーが来るまでに1~2週間かかります。人々は以前のように家探しに熱心ではないようです。希望する条件で買えない場合には、すぐに諦めます。どうしても物件を手放したい売り手においては、買い手の住宅ローンの最初の3ヵ月分を支払うことを申し出た人もいるそうです。まだ売り手と買い手は慎重になっていると思います。」 住宅需要は改善していますが、入札競争を引き起こす主な要因は『在庫不足』です。 売り手が急激に変化する市場を受け入れるのが遅いのは当然のことですが、買い手は住宅ローン金利の低下に真っ先に反応する傾向があるためです。この影響は2023年に顕著になる可能性があります。 住宅ローン保有者全体のうち85%の住宅ローン金利は、現在の約6%の水準をはるかに下回っているため、売り手は金利の上昇に対してより敏感になります。このロックイン効果に加えて依然として高い賃料は、多くの人が家の売り手ではなく家主として留まる動機となっています。 とは言え、自宅を売却するためにRedfinエージェントに連絡する人の割合は2022年11月から10%増加しています。しかし、全国的に大幅に改善されるのはまだ時間がかかるでしょう。 2023年11月22日までの4週間で、新規に売りに出された物件数は前年比18%減少しました。これはほぼ3ヵ月ぶりの最小の減少幅となります。 Redfinのエージェントによると、住宅所有者は、住宅価格の伸びが縮小し、買い手が交渉力を取り戻している時期に売りに出すことに不安があるそうです。 シアトルのRedfinエージェント: 「住宅所有者は、買い手からの需要が無いことを事前に聞いていたので、この時期に売りに出すことを恐れています。在庫が無いだけなので、市場の競争力が再び高まっています。」 リッチモンドのRedfinエージェント: 「売り手は、メディア、友人、家族から住宅市場が減速していると聞いたので、最初に来た買い手からのオファーに飛びつきます。」 住宅購入者の需要の高まり、価格の上昇が安定するにつれて、より多くの売り手が市場に戻ってくる可能性があります。
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2023.01/20
住宅ローン申請件数が対前週比27.9%上昇!
2023年1月13日に発表された30年固定住宅ローン金利は6.33%、これは2022年9月以来の水準となります。 米住宅銀行協会(MBA)によると、インフレがピークを過ぎたことを示すデータが増え、国債利回りが低下したことによって、住宅ローン金利が下落した模様。 今の住宅ローン金利は1年前の約2倍の水準に留まっておりますが、それでも住宅ローン金利が緩和されたことで買い手が増加しているものと考えられます。 住宅ローン申請件数は対前週比+27.9%、これは2020年3月以降で最大の伸び率となりました。 住宅ローン借換え件数も対前週比+34%と順調な伸びを示しています。
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2023.01/18
ホームビルダーによる価格の引き下げが増加
建設業者や土地仲介業者の調査会社であるJohn Burns Real Estate Consultingの調査によると、 全米において、2022年3月に住宅市場がピークに達して以来、ホームビルダー(住宅建設業者)が価格の引き下げを行わなかった事例は全体の16%のみでした。 そして、殆どのホームビルダーは -6%から-10%の価格引下げを行いました。 地域別に見ると、 カリフォルニア州、南西部、テキサス州、北西部(赤枠内)で価格調整が多く行われました。 これらの地域では-1%から-10%の引下げが最も多く、中には-20%以上の引下げも見られました。
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2023.01/16
全米で家探しを始める人が増加中!!
2020年4月以降、物件が市場に出てから販売に繋がるまでの期間が長期化しており、住宅販売件数は記録的な低水準にあります。 しかしながら、ここ最近ではオンラインでの家の検索、物件内覧のリクエストは増加しており、Redfin社のHomebuyer Demand Index(Redfin社エージェントからの内覧リクエストやその他サービスの指標)は先月6%の増加を記録し、「販売中の物件」のGoogle検索件数が増加しています。 こうした需要の初期兆候は、特に住宅ローン金利が2022年11月に付けた7%のピークから6.33%へと下落したため、典型的な住宅においては月々の住宅ローン金利の支払いが約250ドル節約できると試算され、一部の買い手は”傍観者”から”購入予定者”へ参入する可能性が高いことが示唆されています。さらに、インフレが落ち着くにつれて、今後売上に繋がる可能性があると考えられます。 Redfin社の副チーフエコノミストのTaylor Marr氏は次のように述べています。 「直近の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+6.5%と6か月連続でインフレ率が低下することとなり、最悪のインフレが過ぎ去ったことが確認されています。これは、FRBが利上げを緩和し続ける可能性が高いことを意味しており、これにより住宅ローン金利は徐々に低下し続けるはずです。これにより、今後数か月で一部の住宅購入者が戻ってくる可能性があります。」 また、「家探しを始める人はすでに増加しています。彼らはまだ”買い手”にはなっていないが、毎月の住宅ローンの支払いがピーク時から大幅に減少し、最新のインフレ率と雇用データが景気後退の可能性を低下させていることを考えると、彼らはすぐに”買い手”になる可能性がある。」 販売価格は、米国で最も人口の多い50都市のうち20都市で前年比で下落 米国の典型的な住宅は、2023年1月8日までの4週間で351,250ドルで販売されました。これは、前年比+0.8%でしたが、2022年6月のピークからは-10%の下落となりました。 サンフランシスコ(-10.6%)、シアトル(-5%)、サンノゼ(-4.9%)、オースティン(-4%)、デトロイト(-3.8%)、フェニックス(-3.7%)、オークランド(-3.4%)、ボストン(-3%)、ロサンゼルス(-3%)、サクラメント(-3%)、サンディエゴ(-2.6%)、シカゴ(-2.5%) ポートランド、アナハイム、リバーサイド、ニューアーク、ニューヨーク、ピッツバーグ、ラスベガス、ワシントンでは2%以下の下落となりました。 ラスベガスの価格が対前年比で下落したのは、2015年以来初めてとなります。 サンフランシスコ、シアトル、フェニックス、シカゴ、ボストン、ポートランド、サンディエゴでは2015年以来最大の対前年比下落幅となりました。
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2023.01/12
売り手市場から買い手市場へ逆転か
住宅の売り手は、家を購入する買い手のコストを削減することを目的とした譲歩を提供するケースが、2022年第4四半期の住宅販売の42%(前年は31%)を占めました。これは、2020年7月以降、四半期で最大の割合となります。 特に、フェニックス(アリゾナ州)やラスベガス(カリフォルニア州)を含むコロナ・パンデミックで住宅ブームが最も過熱していたエリアが最も高くなっています。 売り手からの譲歩とは主に、家の修理費用、住宅ローン金利のバイダウンのことを指しますが、売り手による住宅価格の値引きは含まれていません。 売り手による譲歩が増加した背景には、2022年における住宅ローン金利の上昇、インフレ、経済の不確実性が住宅購入需要を弱めた結果、2021年までの売り手市場から買い手市場に逆転したことが挙げられます。 それはつまり、2021年までは歴史的な低金利が激しい競争に拍車をかけ、ほとんどの買い手は売り手からオファーを貰うだけのために提示価格を上回って入札していたため、売り手からすれば勝手に高額で住宅が売れるという状況でした。 しかし現在は、どうしても家を手放さなければならない売り手においては、市場に残っている僅かな買い手に住宅を購入してもらうために前述のような譲歩が増加しているのです。 買い手にとっては、売り手が2021年の住宅ブームで多くの資産を築き上げ、かなりの譲歩をする余裕があることを把握しているため、強気の交渉を行うことができると考えられます。 フェニックス(アリゾナ州)の不動産業者は次のように述べています。 「最近、あるバイヤーが新しい屋根とその他の修理のために1万ドルの譲歩を交渉するのを手伝いました。当初、買い手は1.5万ドルを要求しましたが、売り手が住宅価格の値引きに同意してくれたので、最終的に1万ドルの譲歩で落ち着きました。」 フェニックスでは2022年第4四半期における住宅販売の62.9%で売り手による譲歩が行われ、2021年の33.2%から大幅に増加しました。この29.7%の増加は米国大都市圏の中で最大であり、次にシアトル(25.6%)、ラスベガス(22.2%)、サンディエゴ(20.7%)、デトロイト(20.4%)となります。 ちなみに、サンディエゴでは最も一般的で、2021年第4四半期の住宅販売の73%で譲歩が行われ、これは全米で最高シェアとなります。 一方、2021年に比べて譲歩が減少した大都市圏はオースティン(テキサス州)で、住宅販売の33.3%(前年比-4.8%)でした。次にフィラデルフィア(-2.7%)、ニューヨーク(-2.4%)、シカゴ(-1.6%)となります。