新築住宅が市場を下支え、住宅建設業界は非常に活発で将来の在庫増に明るい兆しか
7%近くの住宅ローン金利が、住宅の買い手や売り手の双方が中古市場に参入することを妨げています。しかし、新築住宅の建設は、ほぼ20年ぶりの最高水準に近づいており、来年の住宅在庫の増加が期待されています。
住宅市場を活性化させるためには2つの要素が必要となります。住宅ローン金利の大幅な下落と、新規リストの急増です。今年上半期にはいずれも起きず、金利は上昇し、新規リストは過去最低にまで減少しました。今年はさらに1〜2回の利上げが予想され、住宅ローン金利は少なくとも夏の間は上昇し続け、需給が制限されると考えられます。
しかし、春の住宅購入ラッシュはなかったかもしれませんが、以下のデータは春の建設ラッシュがあったことを示しています。建設業者は住宅在庫を増やすために建設を加速しており、これにより、年末までに住宅の買い手の選択肢が広がる可能性があるのです。つまり、間もなく多くの新規リストの増加が期待できるかもしれません。
5月における新築戸建て住宅の建設プロジェクトの着工は、30年以上ぶりの最大幅で急増しました。これは、FRBの金利引き上げによって住宅市場が大打撃を受けた後、住宅市場が転機を迎えつつあることを示しています。
実際、昨年に資金調達を確保した集合住宅の建設プロジェクトが5月の成長に貢献し、5月の住宅着工件数1,631,000件は、2006年以降で最も高い2022年4月以来となりました。増加件数は291,000件と1990年1月以来の最大であり、増加率は21.7%と2016年10月以来の最大の増加率です。
また、住宅着工件数は南部、中西部、西部で2桁の伸びを示し、北東部では約19%減少しました。戸建て住宅プロジェクトは18.5%増加し、5ユニット以上の集合住宅プロジェクトは28.1%増加しました。
住宅建設は過去8四半期間、米国GDPの成長を抑制してきましたが、今年下半期においては住宅建設が米国の経済成長に貢献するものと多くの専門家は予想しており、今後の業界動向に注目しております。
出所:Bloomberg, St.Louis Fed
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