事例に学ぶ賢明な投資戦略

2023-12-20 EAM資産運用事業 info@moncapi.com

前回、金融機関から届く景気予測等各種レポートが我々に届く頃は既に時遅し、と書きましたが、それが正しければマーケットのコンセンサス(市場価格に織り込み済みの情報)がレポートから読み取れるとも言えます。それならばマーケットのコンセンサスと独自の分析とを比べながら、コンセンサスに従うか否かを探るのが最善かつ賢明な策ではないでしょうか。マーケットは常に正しい訳ではなく、間違った価格形成(歪み)があるという前提に立ってその歪みを自分なりに探すのです。

 大切なことは、一つ一つの景気指標に惑わされず、多様なデータを継続モニタリングして景気動向のトレンドを見極めることです。そうすることで金利の動きを予想し易くなりますし、時々発生するマーケットの歪みを見つけられる可能性が高まります。実際にこのやり方で私は2008年のリーマンショックの被害を避けられましたし、コロナ後の金利上昇にもある程度事前に備えることが出来ました。特に2022年前には金利上昇を予想し伝統的資産である株、債券、劣後債の比率を減らしプライベートデッドやインフラ等の変動金利の投資対象に一歩早くシフトすることで運用パフォーマンスの悪化を最小限に留めることに繋がりました。金融機関のレポートや周りの意見だけに頼っていては変化のタイミングに乗り遅れた方が多いのではないでしょうか。決して金融機関の調査を馬鹿にしているのではなく、組織や影響力が大きい程、スピードは遅くなりますので、仕方のない事です。例えば株のアナリストレポートでいえば、優秀なアナリストであればあるほど、レポートで買い推奨を出したら既に高値であることの方がむしろ普通のことです。情報はスピードが全てですが、それだけに公開する前からどこからともなく漏れるものなのです。したがって、金融機関のレポートよりも一足先にデータを取得し分析する術が必要となります。そして継続することがポイントです。どのデータを見るかは企業秘密ですが、基本的に米国と日本の政府又は民間の公開情報です。